に高級賃貸住宅65世帯を経営している資産家がいます。
住宅は有名建築家の作品であり、森の中に家がスッポリと建っている
贅沢な環境であるらしい。
一番高い家賃は125坪の一軒家で月額180万円、一番安い
15坪の部屋で15万円という。
オーナー自身はそんなに高くないですよと言っているが、
ふつうの感覚からすれば目が丸くなるほどの高さですね。
30年前くらいは、すべて外国の外交官であったが、今は外国人
が6割で、日本人は会社経営者やデザイナーなどが多く、
オフィスにしたりして住んでいるという。
日本人も自然を親しむ意識に目覚めてきたらしい。
このように東京23区内にありながら、六本木ヒルズのような高層
マンションとは対象的な自然環境があるなんてうれしくなります。
しかし、年間に落ち葉が、約4トンも出るというからすごい。
以前は庭で燃やしていたが、今はゴミ袋に入れて出しているという。
この落ち葉を何とか再利用できないかと考えて、落ち葉を燃料に
するペレットストーブを購入したそうです。
そうすると、家族みんなが炎のそばに集まってくるというから、
炎は不思議な力を持っているようですね。
夏は、窓のそばにツル科の植物をはわせて「グリーン・カーテン」
をつくると、真夏でも冷房なしで過ごせたという。
しばらく姿を見せなかったキツツキが戻ってきた時は、本当に
うれしかったようです。
オーナーはアニメをほとんど見ないが、宮崎駿監督の「となりの
トトロ」だけは、思わず見入ってしまうそうだ。
オーナー自身は、環境主義者ではないが、管理面からすれば普通の
マンションの方が断然に楽である。
しかし、緑や土があると季節感があって、それを居住者の方に体験
し、楽しんでいただくことで、何かが伝わっていけばよいという
哲学を持っています。
普段の暮らしぶりも地味で、家ではメザシや納豆などの粗食で済ま
せている。
外食は、たまに家族で焼肉チェーン店に行くくらいであり、実に
つつましいかぎりです。
同年代の友人に美食家がいて、最近、相次いで倒れたらしく、
お金がいくらあっても健康でなければいけないと、あらためて
気づかされたという。
車はホンダのステップワゴンが1台のみ、バイクは数台あるが
趣味と呼べるものはこれくらいである。
クレジットカードはつきあいで1枚だけ持っているが、ほとんど
使わない。
お金がかかるのは電気代で、家が広いために10万円くらい
になるという。
一番不安なのは相続税で、もし払えなければ土地をとられてしまう
ので、ここまで大事にしてきた樹木を、あっという間に切られてし
まうからである。
このように、資産家には資産家なりに不安や悩みがあることをお判り
いただけたでしょう。
引用 PRESIDENT 2007 7/2